君は同志などではない

重い心臓病のため、米国での心臓移植を希望している東京都三鷹市の上田さくらちゃん(4)を支援する「さくらちゃんを救う会」の関連ホームページ(HP)などに9月以降、批判や中傷など匿名の書き込みが大量に寄せられている。

救う会メンバーの携帯番号や、さくらちゃんの自宅の写真などが匿名投稿者によりネット上で公開されるなど、“攻撃”はエスカレート。顔の見えないネットの負の側面が露呈した。

「身銭切れ」心臓移植希望の女児支援HP、中傷相次ぐ

心臓病の子どもを救うための寄付金が物議を呼び,祭り状態となっていたようです.寄付金の是非などについては,他に任せるとして今回は,上記の“突撃”に走る人に関して(はてな界隈で言うネットイナゴ).

物議が起こるときと言うものは,往々にして価値観の対立によるものが大きく,どちらかが一方的に間違っているというケースはあまりありません.今回に関しても,自分の(あるいは知り合いの)子どもを助けたいという心から運動を始めた救う会側の心情もそれなりに理解できますし,寄付金という形で助けを求めたことに対する反発心というものもそれなりに理解できます.そのため,最終的に,こういった議論に勝つためには,多くの人(≒世論)を共感させて見方に付ける必要があります(勝つ必要があるのかどうかはまた別の話).

この時に問題となるのが,前述したようなネットイナゴです.ネットイナゴは,しばしばあまり何も考えずに“突撃”を行います.そして,その方法が掲示板への誹謗中傷ならまだ良いのですが(良くないが),上記のように電話番号や住所を晒したり,脅迫状のようなコメントを書いたりと,易々と“禁じ手”を使ってしまいます.

これは,一見すると禁じ手を使われた側(晒されたり,脅迫されたりした側)に大きな被害が及んでいるように見えます(し,実際,大きな被害が及んでいますが).しかし,こういった行動を起こされて被害を受けるのは,多くの場合は批判を行っている側になります.先にも述べたように,この類の物議は世論を見方につけなければなりません.それにも関わらず,上記のような先走った行動を一部の“同志”に起こされてしまうと,世論の目が非常に厳しくなり劣勢に立たされてしまいます.

さらに,こういった人達はほとんど目の前しか見えていないため,たとえ他の人が止めたとしても聞く耳を持ちません.そのため,このような因子は,甚大な被害を及ぼす前に処理する必要があります.ちょうど蔵馬が黄泉を処分しようとしたように*1

そう考えると,なぜ“祭り”が祭りの域を出ることが出来ないのかという理由の一つがここにあるような気がします(匿名な状態では,そのような危険な同志を処分することが出来ずに,統制を取ることが出来ないため自滅する).

この問題自体に関するの意見は以下が参考になります.

*1:最初に思いついた例がこれでした,非常に懐かしいですね