UI (User Interface) と慣れの関係

これを見て思ったのが、「何で日本人はUIにお金を払わないのかなあ」ということです。例として出ているのは、「いかに使いやすくなったか」ということです。MacintoshのUIが使いやすく素晴らしく、Windowsが明らかにそれの真似をしつつも追いつけていない、というのは両方使っている人ならわかると思います。

http://michys.com/blog/2006/10/ui.html

これも,以前に書いた慣れこそ最強の武器と同様の性質があるように思います.つまり,多少のUIの差は“慣れ”で吸収できるから.人間とは恐ろしいもので,CPUスイッチで画面を切り替えてから切り替えたPCの画面が移る前に2,3個の動作を完了させるようなWindows猛者を見たことがあります.若者は,PCよりも携帯電話の方が使いやすいと思っているようですし,実際,携帯のUIであのタイピングスピードはありえないな,と思ったりします.

一つひとつの機能(UI)を分析すると確かにWindowsに比べてMacintoshの方に分のある面も多いでしょう.しかしながら,多くの(Windowsを使い続けている)人は“使い慣れたWindows”と“不慣れなMacintosh”のUIを比較します.その2つを比較の場合には“使い慣れたWindows”にかなりの分があります.何故,これだけCPUの速度が向上したこのご時勢に,あんなに“使い勝手の悪い”キー配置のキーボードを未だに使い続けているのか,という理由もそこにあると思います.わざわざ使い慣れたUIを放棄してまで,また一からやり直すという人は,恐らくはあまりいないのでしょう.

何故,UIに対して特許を取るのか?そのUIが合理的で機能的に優れているからという理由で特許を取る場合も,もちろん多々存在しますが,それ以上に自社だけがそのUIを“使い続ける”ことによってユーザを慣れさせ,他のUIを適用した競合製品への乗り代わりを防ぐためである,と思います.