SBM の大衆化をどのように考えるか

お前ら、ブクマして勉強した気になりたいだけなんだろ?を読んで、いくつか思い出した事を書きとめておきます。

SBM の大衆化に関する問題提起の流れ

以前、Social BookMark (SBM) の衆愚化に関する議論の中で、「毎年冬になると東大で学んだ卒論の書き方★論文の書き方はてなブックマークのホットエントリに上がってくるけど*1、これはSBMの衆愚化的に考えてどうなのだろう?」という話題がでました。これに対するはっきりとした結論は出なかったのですが、現在の利用者の需要(論文を書かなければならないので書き方を知りたい)を正常に反映した結果なので、これはこれで良いのだろう、と言う形でこの話は終わりました。

つまり本当の問題は実は「平均的はてなブックマークユーザ像が、自分から乖離した」ことである。

…(中略)…

はてぶがドンドン馬鹿になっていくでも触れらているように、

新しいこと画期的な概念、難解な議論は、とくに吟味もされずにスルーされて、まとめサイトや実務系tipsのような単なる再生産なのだけど実務での使用に耐える、そんなんばかりが増えていく。

「薄い」ユーザは「濃い」コンテンツを望んでいないのだ。

http://japan.cnet.com/blog/ajiyoshi/2006/08/22/post_d180/

これまで特定の分野の人達だけに利用されていた SBM(ここでは、はてなブックマーク)が一般の人達にも広く利用されるようになった結果、ブックマークされる記事も多様になり、さらに、それぞれの分野の入門的な記事の方がブックマークを集め易くなりました(これは、知識が少ない頃はその記事が必要かどうかの取捨の判断を行うための能力が足りないので、「取り合えずブックマークする」ことが多いためではないかと考えています)。その結果として、初期の頃から利用していたユーザにとっては質が落ちたように感じられるようになり、衆愚化論が叫ばれるようになりました。SBM の衆愚化と大衆化では、この問題を「衆愚化」と呼ぶのには違和感があったため、別の名前(大衆化)をつけました。

一般人とは誰か?

その後、このSBMの大衆化に関しても少し議論する(聞く)機会があったのですが、そのときに「一般人とは誰か?」と言う問いに引っかかりました。個人的には、これまでの記事からすると、(問題提起したくなる)一般人とは、「自分の(得意とする)分野において、知識量の面で自分よりもずっと劣っている人」位になるのでは、と考えています(問題提起したくなる場面の多くが、自分にとっては当たり前の知識が書いてある記事に多くのブックマークが集まるときであるため)。例えば、お前ら、ブクマして勉強した気になりたいだけなんだろ?では、該当エントリの増田に対して「論文の書き方が分からない人」が一般人に当たるのだろうと思います。

この定義の問題は、「自分から見て」と言う主観的な要素が含まれていることです。東大で学んだ卒論の書き方★論文の書き方に関する議論の後だったせいもありますが、SBMの大衆化の問題には主観的な要素が強く含まれているため、(システム全体から見て)そもそもそれは本当に解決すべき問題なのかどうか判断できなくなりました。そして、全ての言説に意味があるという誤解を基に考えると、この問題はどちらかと言うと愚痴に分類されるのではないか、と思うようになりました。議論でも、結局SBMの大衆化問題は取り合えず忘れて別の観点からの議論になったのですが、個人的に取り合えずこの問題を置くことにしたのは、上記から来た疑問が大部分を占めるようになったためです。

もちろん、上記の問題に対してシステム的に改善する余地は残されています。多くの記事で挙げられている、

  • 記事の分類による細分化
  • 自分のブックマークに含まれる何らかの指標(タグ、人、...)を基にしたパーソナライズ

は上記の問題を解決するための有効な糸口だろうと思います。前者に関してははてブニュース、後者に関してははてなブックマーク 今日のおすすめ*2のようなマッシュアップサービスも出てきており、こういったサービスから上記の問題の解決方法を探すことはできそうです。ただ、いろいろな人が言う「問題」をそのまま受け取るのは危険だな、と言うのが実際に議論を聞いて抱いた感想です。

*1:恐らく、この時期になると毎年、B4(大学4年生)が初めて本格的に論文(卒論)を書き始めるからだろうと思います。

*2:もしかして、はてブお気に入りサジェスタが休止しているせいでうまく機能していない?

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