何故マスクを着用するのか?

最近は、大阪にいるせいもあるでしょうが右を見ても左を見てもマスクをしている人ばかりです。「関西に居たことがある」と言う事実だけで相当なデメリットなようで、出張などで様々な場所に行かなければならない人は大変な思いをしているのだろうと予想されます。さて、今日は何故こんなにも多くの人がマスクを着用しているのかについて。

「医学的に、マスクをすれば感染しないと裏付ける海外の文献はほとんど聞いたことがありません。WHOのガイドラインにもマスク着用は書いておらず、本当に役立つか何とも言えないということです。欧米では、感染者がほかの人にうつすのを防ぐためにマスクをするので、健康な人はマスクをしないわけです」

マスクは予防に役に立つのか 日本と海外では使用法全く違う : J-CASTニュース

マスクを着用すれば良いと言う訳ではないと言う主張はあちこちから聞こえてきますが、それにも関らず、傍から見ていると異様とも思える程の人達がマスクを着用しています。これは、マスクを着用すると言う行為が「感染を防ぐ」役割以上に「万が一、感染した(させた)ときの批難を逃れる(和らげる)」役割があるからだろうと思います。

実際のところ、GMail を使おうと使うまいと、事故が起きる確率は大して変わらない。また、事故が起きたときに顧客や消費者に迷惑をかけるリスクも大して変わらない。ところが、「誰かに叩かれる」リスクだけは恐ろしく高くなるのだ。「それ見たことか」「だから言ったのに」としたり顔で批判する社内勢力、「管理体制に問題があったと言えそうです」と報じるマスコミ、絶好の叩きネタと狂喜する炎上大好きネット住人、天下りを押し込む好機と見る監督官庁などなど。こういったリスクは大企業ほど大きい。

そのため日本の大企業は、業務を効率化して株主価値を生み出すためでなく、顧客・消費者利益に貢献するわけでもなく、「叩かれるのを防ぐ」ことに注意を集中しがちである。これがコンプライアンスという言葉の実態である。

GMail でなく閉鎖型の社内システムを使っても、事故が起きる確率は大して変わらないし、顧客に迷惑をかける度合いも大して変わらない。しかし、事故が起きたときに「これだけセキュリティに気を遣っていて事故ったんだから仕方ないですよね」と言い訳ができれば、大企業自体が受けるダメージは大幅に低減できる。日本の大企業においてセキュリティという言葉は、だいたいそのような意味で使われている。

この「言い訳できるよう準備しておく」というのは、何か価値を生み出すわけでもなく、生産的と言いがたい作業なのだが、日本社会においては重要なプロセスである。情報セキュリティ以外でもそうしたプロセスはよく見られるし、それによって雇用が維持されている側面もある。

http://wordpress.rauru-block.org/index.php/1613

銀行やコンビニ、その他諸々の客と直接、接する必要のある人達は(大阪で観測できる範囲では)ほぼ例外なくマスクを着用しています。これは、「感染を防止する」と言う目的以上に、万が一、その店員を通じて客に感染してしまった場合に、「これだけきちんと感染防止に努めていたにも関らず感染してしまったのだから、仕方がないですよね」と言う言い訳を用意しておくためなのだろうな、と感じました。現状を見ていると、どのような形でも感染してしまうと「危機管理能力が足りていない証拠だ」のような形で批難されてしまうようですが、「マスクを着用する程度の感染防止にも努めていなかった」と判明したときに受ける批難は、それとは比べものにならないのだろうと思います。

マスクは予防に役に立つのか 日本と海外では使用法全く違う : J-CASTニュース によると、手洗いは十分でないようなので、それを徹底する(させる)ように呼びかける事には意味があるでしょう。ただ、「マスクを着用しても感染防止の観点からはあまり意味がない」と主張したとしても、多くの人(企業)が抱く感想は「感染防止の観点からは意味がありませんが、それが何か?」かもしれません。

黒船的な存在

マスクを着用する事を控えさせるためには、黒船的な存在感のある人が「マスクを着用しても感染防止の観点からはあまり意味がない」事を表明する必要があります。

歴史で、黒船以降、日本の社会がガラッと変わったと学んだ。
日本人は変化を嫌うのに、変わるときは一気に変わるとも聞く。
そこには「意志決定の謎」が絡んでいる。

だって、黒船だもん、しょうがないんじゃない?
だって、あの○○社はやってますよ?
だって、となりの○○ちゃんの家でも買ってもらってるもん。
この認識が一定人数以上で共有されると、揚げ足取りは消え、
完璧な言い訳ができあがる。そうなれば、すべてが一気に変わる。

http://kokokubeta.livedoor.biz/archives/51339884.html

厚労省などの政府機関がこの黒船的な役割を果たせれば良いのですが、日本人は政府を信用しないと言う傾向が強いような気がするので、それはなかなか難しそうです。本当にマスクを着用する事を控えさせたいならば、現状ではワイドショーのようなテレビ番組がどんどん放送していくしかないような気がしますが、果たしてどうなのでしょうか。