「はてブは反論するコストが高い!卑怯だ!」問題

http://d.hatena.ne.jp/RPM/20090512/1242135994 を見ながら,今さらこんな話題.

今は,はてブ論自体がそんなに流行らないのでどうなったのかは不明ですが,数年前までは,はてブは反論できない,もしくは反論するコストが高いと批判する記事はぽつぽつと人気になってきました.その中で「反論するコストが高い」と言う指摘が気になったので,メモ代わりに.

コストとは何か?

一番気になったのは,「何をコストと呼んでいるのだろう?」と言う部分でした.反論するだけであれば,多くの人達が指摘しているように該当ブックマークの URL を貼りつけて,自分のブログなり何なりで反論すれば済む話です.しかし,この反論では(コストが高いと主張している人達は)納得するケースがほとんどない所を見ると,どうやらこの「コスト」と言う表現に対して認識に差があると考えられます.

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はてなブックマークコメントにはPermalinkもidコールもあるのに、なぜ「反論するコストが高い・面倒」と思えるのがとても不思議なので、その根拠を教えてほしい - import otsune from Hatena

このコメントで気づいたのですが,「コストが高い」と主張している人達は「ある主張・批判に対する反論は,該当の文章からゼロ・クリックで表示できる箇所に反論が書けるべきだ」と言う意識があるのでは,と言う気がしました(追記: コメント欄で既に同様の指摘がありました).「ページ遷移しなければならない場所に反論を書くと,その反論が読まれる可能性がぐっと減るので,クリックが発生する事がコストだ」のような感じでしょうか.また,この前提に従うとはてブへの反論は「はてな ID を取得して該当の記事のはてブ上で書く」と言う手順を踏む事になるので,「はてな ID の取得が面倒」と言う主張とも繋がります.

この主張が正しいならば,コメント欄を閉じているようなブログも同様に「卑怯」と言う事になり,何となく観測してきた事例と合致するような気もします.ただ,そういったブログに関しては「無視する」と言うポリシーで処理しているにも関わらず,はてブに関しては不満が溜まりやすいのは何故か?と言う問題は残っています.単純に確率・頻度の問題(コメント欄を閉じているブログで批判を見つける頻度と,はてブのコメント欄で批判を見つける頻度)かもしれませんが.

影響力の差から来る不満

こちらはもう少し感情論的な話.Twitter 上での喧嘩で「有名人はもう少し自分の影響力を考えて発言しろ」と言う批判をぽつぽつ見かけます.この批判に関しては Twitter ではっきりとそういう主張を見るまで考えた事がなかったのですが,Twitter から抽出される喧嘩を見ていると,そのように考えている人はそれなりに存在するようです.

はてブのコメント問題もこれと同様の感情問題が関係しているような気がします.はてなブックマークは,ホッテントリ 入りすると,ブクマ元のブログに数万とかそんなレベルのアクセスが発生するくらい(個人レベルの感覚で考えれば)影響力の大きいサイトです.恐らく,ごく一般のブログであれば 2桁から 3桁くらい影響力に差があるのだろうと思います.この影響力の差から来る漠然とした不満がうまく言葉にできないまま主張した結果,「はてブは反論する○○が××だ!卑怯だ!」と言う言葉になってしまうのかもなと思いました.