2ch まとめサイト問題

“産地偽装”は「言われなき中傷」 2chまとめサイトなどにJAグループ熊本が強く抗議 - ITmedia NEWS より。これまでも 2ch まとめサイトの問題は数多く言われてきましたが、特定の団体が（転載元の2ちゃんねるではなく）2ch まとめサイトに正式に抗議を表明した辺りに進展が見られる事となりました。問題点等については様々な所で言われつくされてる感があるので、まとめる程度で。

編集の価値

実のところ、私は2chのまとめブログは「ある程度仕事してる」と思ってます、掲載している内容やまとめの方針には異議を感じるところ多々ですが、意味の無い茶々の多い2chの書き込みの中からノイズを除去して有用な発言のみ抜粋する行為はしばしば有益であり、その作業は一定の評価をされても良いと感じています。
で、そういう作業を経た「まとめ」には、元々の投稿の集合にはない「価値」が発生していてもおかしくないと思うのです。2chのまとめブログに大量のアフィリエイトリンクが張られていることを嫌う人も少なくありませんが、そういう「価値」を生み出している以上、アフィリエイトぐらい張ってもいいんじゃないかなどと考えています。
» 「編集」の価値と責任

「編集する事の価値」に関しては、故「ニャー速」周辺を発端とした VIPPER vs VIPブログ連合の時にもいくつか指摘がありました（参考：中間情報産業への無理解）。

実際、ここ1、2年「キュレーション」をキーワードにいくつかの「まとめサイト」が流行していますが、例えば、Togetter や NAVER まとめなどを何のフィルターも通さずに新着記事を眺めていると非常に読み辛いものも多く、今さらながらに多くの PV を獲得している 2ch まとめサイトの「編集の上手さ」を感じる事もあります。非モテタイムズがおもしろい - Life like a clown の記事を書いた時も、（「非モテタイムズ」自体はセルフブックマークの事を考慮していない事による私の勘違いと言う結論でしたが）一緒に紹介した「やらおん」の管理人に関しては編集能力を評価する声もいくつか見られました。

このように、2ch まとめサイトに関しては（特に人気どころは）その編集能力については一定の評価を得る一方で、偏向的な編集や捏造等の問題の深刻さが日増しに強まっています。

故「ニャー速」はかつて「面白いは正義」と言った

故「ニャー速」はかつて、自サイトに「面白いは正義」と言う言葉を掲載していました。実際、2ch まとめブログでまとめられる内容については「本当かどうか」よりも「面白いかどうか」に重点が置かれているのは、多かれ少なかれ事実として存在しているだろうと思います。

さらに、現在の 2ch まとめサイトの最大手である「痛いニュース(ﾉ∀`)」が、タイトルからも分かる通り、「他人の不幸は蜜の味」的な記事への需要が非常に高い事を示しました。この結果、多くの 2ch まとめサイトが「VIPEER が馬鹿な事をやってて面白い」的な意味での「面白い」からもう少し黒い面白さを含むようなネタを扱うようになりました。この事は、例えば、現ハムスター速報の新着エントリー一覧と移転前(2009年)のハムスター速報の新着エントリー一覧を見比べる事によってもその傾向を見て取る事ができます。

震災以降は特にこの傾向に拍車がかかり、原発関連やフジテレビ問題等の特定の人・団体を非難・糾弾する記事が増えてきました。そして、さらに悪いことに、「面白さ」を重視した結果、デマを拡散してしまうような記事も量産される事となりました。

いわゆる”どっきり”にも笑えるどっきりと笑えないどっきりがあるように、
面白いは正義！も笑えるケースと笑えないケースがあるんじゃないかな？
警察沙汰は笑えないです。犯罪行為＝クオリティタカス　じゃないよね？
無関係の人にまで迷惑かけるのは本意じゃないはず。みんなのこと、信じてるお（　＾ω＾）
”ニャー速。城”は本当に燃えているか？ - べにぢょのらぶこーる

「VIPEER が馬鹿な事をやってて面白い」的な記事を掲載していた頃は、スレの内容が本当であっても嘘であっても、その多くは大した問題にはなりませんでしたが、政治問題や時事問題等のデリケートなネタを数多く扱うようになった結果、今回のように、デマ記事が拡散される事によって明確な被害を受ける人・団体も多くなり、笑って済ます事のできない事例も現れるようになりました。