情報伝達速度の加速とメディアリテラシー

0分後
新しい情報がネットのどこかにリークされる

1〜30分後
イノベータ大集合
見つけた人たちがここぞとばかりにtwitter等に流す

…(中略)…

1〜∞日後
ラガードの聞き流し
その情報に興味を持ってない人への耳に入ったりし出す
イノベータの一部の人は自分がリークした事すら忘れだして居たりする。

最近のニュースの流れ

メディアリテラシーを高めようとする場合、情報の真偽を確かめるために「一次情報にあたる」、「該当分野の識者の見解を参考にする」等のさまざまな検証的な行動が必要になってきますが、実際には、多くの人にとってこういった行為は実行するハードルが高い、もしくは、そこまでする気力が沸かない等の問題があります。

一方で、Twitter が出現して以降、情報(ニュース)の伝わる速度がどんどんと早くなっています。第一報が何らかのメディアを通じて投下されると、そのほとんどはデマかどうかが 1日もあれば大勢が決するような状況です。したがって、現在のように様々な情報が非常に早いペースで伝わるインターネット上においては、情報の受け手側は「 気になる炎上情報を見かけたら(Twitter で拡散する等)その事について言及するのを 1 日待つ」と言う行動を取ることによって、それなりにデマの拡散に加担してしまう事態を防ぐ事ができます。

PV (アクセス数)至上主義と倫理観の狭間

様々な情報の伝達速度がどんどん加速しているのにしたがって、各情報の「生存期間(多くの人に興味を持たれる期間)」もどんどんと短くなっている傾向があります。その結果、情報の送信側としては、「1日待つのは(PV 的に)遅すぎる」と言う問題に悩まされます。実際、各種 2ch まとめサイトが「デマッター」のような蔑称を引用・転載する事によって twitter 上でデマが拡散される状況を揶揄する一方で、サーチナ発のデマ拡散騒動 や iPhone 5騒動*1 等のように、情報の真偽が確定していないにも関わらず記事にして拡散してしまうのも「その方が PV が稼げるから」、「デマと確定したから記事にしても(PV 的に)価値がない」と言う理由に依るだろうと思います。

先走って記事にしてしまう事でデマを広めてしまう、所謂「飛ばし記事」の問題は旧来のメディアから存在しており、この辺りは各種メディア共、売り上げと信頼、倫理観等の間で葛藤が起こっているのだろうと推測されます。一方で、2ch まとめサイトを始めとする(あまり評判のよくない)Web メディアは、現状では残念ながら、後者(倫理観等)が著しく欠如しているため PV を稼ぐためであればデマを拡散する事も厭わないと言う状況が続いています。

そういった現状を考えても、情報の受け手側としては、脊髄反射的に取得した情報に対してリアクションを取るのではなく「1日くらい待つ」と言うある種の我慢強さがこれまで以上に必要とされてきています。

*1:この情報は、当たらずとも遠からず程度でしたが。