Facebook は同窓会名簿

ここ 1, 2 か月、「Facebook は終わった」論を頻繁に見るような気がします。10代のFacebook離れが加速しメッセンジャーアプリにユーザーが流出 - GIGAZINE(で引用されている海外記事)辺りが発端なのでしょうか。様々な記事を見ている内に感化されてしまったので、今日は Facebook について何か書いてみます。尚、この記事は「日本の Facebook」を見ての私の感想です。諸外国とは Facebook の普及の仕方や(Web 上での)背景も異なる部分も多いと思いますので、日本に限定する事とします。

私自身は、Facebook との関わり方は「一応アカウントだけは作成し、後は Twitter の呟きをリダイレクトするだけでほぼ放置」程度のものなので Facebook に関する話を聞くのは主にオフライン上(酒の席などでの雑談)なのですが、そう言った位置から見ていて、最もよく聞く話は「この前、10 〜 20 年来、音信不通だった友人・知人から Facebook 上で連絡があって繋がったよ。すごく懐かしかった。」と言う類のものです。

Facebook は、Facebook、春の垢BAN祭りが始まったよ! - Togetterまとめ のような事例もあるように、ユーザに対してかなり強硬な態度で実名登録を迫っています。これが功を奏してか、現在では、ある程度他人と被らないような氏名で且つ Facebook を利用している人であれば、本名でググると大抵 Facebook のプロフィールページが 1 件目か、少なくとも 1 ページ目には表示される状況となっています。ちなみに私の場合は、Facebook での検索結果のページが 5 件目、このブログのトップページが 4 件目に表示されるようです。このブログ自体に本名を書いた覚えはないのですが、メールアドレスや逆リンク等から解析されたのか、しっかりこのブログも(本名で)補足されています。Google こわい。

話が逸れました。上記のような状況を見るに、現在の日本の Facebook は「同窓会名簿」的な性質を強く帯びているのだろうと思います*1。そして、それ故、10 代のユーザには「まだ」必要とされていないのかもしれません。もっとも、最初の記事は海外での話なので、日本の 10 代のユーザの利用率が減ってるかどうかは不明ですが……

使われる同窓会名簿、使われない卒業アルバム

ここまで書いて、mixi の「卒業アルバム化」問題に関する記事を思い出しました。

mixiが自社のコアコンピタンスに位置づける「ソーシャルグラフ」ですが、初期のユーザーのソーシャルグラフが劣化している点が課題だと私は考えています。

例えば、私は2005年からmixiを利用している私のソーシャルグラフは、学生時代(中学・高校・大学)の先輩、後輩、同級生で構成されています。当時は仲の良かった友人たちも、ライフステージの変化とともに少し疎遠になってしまいました。私の場合、mixi上の人間関係は、ちょうど卒業アルバムを見て懐かしむような関係性に変化しています。

「卒業アルバム化」するmixi初期ユーザーのソーシャルグラフ(イケダ ハヤト) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)

mixi が衰退した理由の一つとして「自分のマイミク(友人リスト)が学生時代のものばかりで卒業アルバム化したから」と言う主張が見られます。この主張には一理あると思っていたのですが、これら 2 つの話を比較している内に、何故、似たような理由であるにも関わらず片方 (Facebook) は連絡を取るための「同窓会名簿」として機能し、もう片方 (mixi) はただ眺めるだけの「卒業アルバム」となってしまうのだろう、と言う点が気になりました。

ここからは私の憶測ですが、一つは「連絡をするきっかけ」の有無の差なのかな、と言う気がしました。Facebook の事例の場合、リストに登録していないユーザとのやり取りなので発見したユーザにはまだ該当ユーザに友人申請を行うと言う「カード」が残されています。この「カード」が旧友と連絡する「きっかけ」となり、その後のやり取りを促しているのかもしれません。一方で、mixi の事例の場合は既にマイミクに加えたユーザに対するものなので前述した「カード」が残されておらず、交流を復活させる「きっかけ」を自らが作らなければなりません。そして、長年連絡を取っていなかったマイミクに対して、自ら連絡を取ろうと思わせるほどの「きっかけ」はなかなか生まれません。

10代は、3年で人間関係がリセットされます。そのたびに新しい環境に移行し、その時の新しい友だちと、連絡手段をもっとも再構築しやすいサービスに主流が移動していきます。10代向けサービスは、3年衰退説があると言われるぐらいです。

問題は数年後、彼らが20代になり社会に出て、どういうサービスを使うか?!なのではないのでしょうか?!

Facebookの10代アクティブ率が減った=衰退説を唱えるのは妥当か?! | F's Garage

上記の観点で考えると、あるソーシャルメディアが「10 代の内は使用しなかったんだけど、20 代になって使用するようになった」と言う形になるかどうかは、10 代の内にどれくらい「友人申請をしなかったか」にかかってくるのかもなと言う気がしました。長年、連絡を取っていなかった旧友と交流を復活させるための「カード(きっかけ)」となる友人申請が残っていれば可能性はありそうですが、10 代の内に使い切っていると厳しそうな予感がします。

逆に、ソーシャルメディアを運営する側の視点から見ると、前述したような「連絡を取るためのきっかけ」をいかにたくさん発生させるようにするかが、サービスが長続きする決め手にもなりそうです。そう言った意味では、例えば、「数年間を通じてまったく連絡を取っていないユーザは、自動的に友人リストから消える」のような設計にしておくと意外とうまくいったりするのかもしれません(「いつの間にか友人リストから消えてたから、再度、申請送ったよ」的なきっかけを与える)。

*1:似たような表現として、「名刺」や「電話帳」と言うものも見かけましたが、感覚的には「同窓会名簿」と言う表現が最もあっているのではないかなと思いました。

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