なぜ本を読むのか

しばらく“なぜ”な話題を続けてみようかなと思いつつ.

本を読んでいるから色んなことを知っているかと思われるが、とんでもない。ほとんどの本の内容は読み終えると同時に(読んでいる最中にも)忘れてしまい、読後はほとんど何も残らない。

http://www.kosa-ca.com/cgi-bin/mt/archives/2006/06/post_452.html

上の文を読んでいて,ふと予備校の国語の講師の言葉を思い出しました.

私の本は,人にも貸せないし古本屋にも売れないんですよ.何故なら,私の読んだ本には私が引いたマーカーやコメントの跡が至るところに残っているからなんですね.以前に,知り合いから「あの本貸して」と言われたので,「いいよ」と貸しところ,すぐに「こんな汚い本,読めるか!」と返されてしまいました.でも,そうでもしないと(読みながら感想を書き込んでいかないと)感想なんて読んでるうちに忘れてしまうじゃないですか.

大体こんな感じの話でした.私も似たような気持ちを抱くことが結構あるので,印象に残っています(読みながら,感想を書き込んだりとかはしませんが).例えば,小説などを読んでいる時も読んでいる最中はこれはひどいこれは面白いと夢中になって読むのですが,読み終えた後に“さて,どこが良かったのか?”と考えたときには言葉が浮かばず,漠然と“うまく言えないけど凄く良かった”という感想しか言えない場合も多々あります.

また,その意味で考えた場合に本を読んでそこから何かを得ることを期待してはいけないという言葉はなかなか面白いなと感じました.例えば,タメになると絶賛な本をそれならばと読んでみて

「うむ,確かにタメになった」
「具体的に言うとどこが?」
「さぁ?でも,タメになった気がする!」

という経験も何度もしてきました.確かに,読んでいて非常に印象に残った本も何冊か存在していて,そのような本に巡り合えたときにはタメになったなという気になったりもしますが,それも本を読んで感動するのは自分の人生や考え方と本が触れ合うからという言葉が近いような気がします.

あまり構えて読んでも,やらされている感が強まるだけで楽しくも面白くもないという状況になってしまいます.ちょうど学校の勉強のように.読書は気楽にやればいいし,読書が嫌いだとしても別に構わないのではないかなと思います.

何故か?好奇心から.