なぜ未婚者が増加しているのか

今日は,未婚者の増加に関する話題.

わが国では、子どもは男女が結婚してから生まれる場合が大半であるので、結婚しない人たちの割合が増加すれば、子どもの出生数に影響を与えることになる。20歳代後半から30歳代の未婚率(結婚していない人の割合)をみると、1970年代頃まで安定した率で推移していたのが、70年代半ば頃から上昇傾向が顕著となってきた。そこで、出生率低下の原因として、未婚化の進展が主な理由として指摘されるようになってきた。


平成16年版 少子化社会白書:2.1 晩婚化・未婚化の進展

少子化社会白書によると未婚率の上昇傾向が顕著になってきたのは1970年代からだそうです.1970年代に何が起こったのかと考えると,“恋愛結婚至上主義の定着と見合い結婚の衰退”ということが思い当たります.

40年以上前は、恋愛結婚よりも見合い結婚の方が多数派だった。恋愛結婚が主流となったのは、ここ数十年の話である。国立社会保障・人口問題研究所の統計をみてみよう。


恋愛結婚と見合い結婚が交差したのは、1960年代である。1965〜69年に、恋愛結婚が48.7%、見合い結婚が44.9%となり、恋愛結婚が見合い結婚を上回った。


Simple:恋愛結婚と見合い結婚の推移

1960年代後半に恋愛結婚が見合い結婚を上回り,これ以降“結婚=恋愛結婚”の図式が色濃くなっていきます.しかしながら,この図式の定着が同時に,未婚者の増加を招くことになります.

近年では,“単純に一緒に暮らして生きたいから”という理由を除くと,結婚する理由のほとんどは“子供”であると言えます.そのため,子供が欲しいとは思わない人は結婚には消極的です.見合い結婚がまだまだ主流だった頃は,それでも両親や親戚,会社の上司のおせっかいなどによって,半ば強引に結婚させられる例も多数存在していました.しかしながら,見合い結婚の衰退とともにそのような事例も減少していき,結果として昔なら強引に結婚させられていたような人々が未婚でいるのではないかと思います.

この恋愛結婚の増加を、私は良いとは思っていない。人間はそんなにも恋愛できるものなのだろうか。どう見ても不細工な人や人間的魅力に欠ける人は必ず存在する。こうした人まで無理に恋愛をして結婚しなければならない社会の方が、異常とはいえないだろうか。


Simple:恋愛結婚と見合い結婚の推移

恋愛結婚の場合,恋愛は基本的には自発的に行わなければなりません.そのため,あまり恋愛に興味がない人や恋愛したくてもできない人などは,そのまま未婚で終わってしまいます.

未婚問題は,恐らく環境改善などでは決して解決できない問題であると思います.もし,本当に少子化問題に関連する未婚問題を解決しようとするなら,強制的にでも結婚させるような風潮を作っていく必要があります(それが良いかどうかは別).

何故?強引に結婚させられる人が減ったから