自殺は無駄死に -- いじめ問題雑感

いじめに対抗するための自殺は無駄

中2男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した福岡県筑前町立三輪中で、この男子生徒をいじめていたとされるグループが事件後も別の生徒にいじめを繰り返していたことが分かった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061103-00000011-mai-soci

遺書によって告発したとしても,その名前は公には伏せられるためいじめた側を社会的に抹殺することは不可能.担任や同級生には知らせることができるが,この事例を見る限り教師がマークしきれるか,と問われるとそれはかなり怪しく,いじめる側も陰湿な方向へシフトしていくだけかもしれない.いじめた側に,自分の自殺と引き換えに,引け目を与えることができたかどうかも怪しい,と.

この手の記事は,“学校側は遺族側に「再発防止を目指す」と繰り返しているが、いじめ対策が進まない現状が浮き彫りになった。”という結論よりも,“あなたの自殺では何も解決しない,死ぬだけ無駄”という形でアピールした方が良いのかもしれません.

自殺の要因の10%程度はマスコミかもしれない

平成16年度における児童生徒の問題行動等の状況については,以下のとおりである。

・・・(中略)・・・

児童生徒の自殺者数 (公立の小・中・高等学校)125人【前年度 137人】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061103-00000011-mai-soci

平成16年度の小中高生の自殺者数は125人だそうです.昨今のいじめによる自殺者の報道数を考えると,小中高生の自殺の(間接的な)要因の10%程度はマスコミが握っているように思えます(なぜ問題なのか?でも取り上げたように,報道できる閾値に達したため,報道数“だけ”が増えたという見方もあるが).テレビを見ていても感じますが,いじめによって自殺すると悲劇のヒーロー(ヒロイン)のような形で報道されます.それ故,その報道に釣られて最後の一歩を踏み出してしまう子どもも多いのだろうな,と思います.もし,マスコミの願いが“子どもの自殺がなくなりますように”であるのならば,報道の仕方などはもう少し変えた方がいいだろうな,とは思います.