視点による差

【コラム・断】イジメで自殺するくらいならというエントリから巡りめぐって興味深いエントリを2つ見つけました.

どちらも,いじめられていた側が報復していじめた側を殺してしまい少年院に送られたが,その後に社会復帰することができたという話です.前者はいじめられた側(というか本人ですが)の視点から語られた場合,後者は(恐らく)いじめた側の視点から語られた場合です.どちらにおいても賛否両論の意見が見られますが,前者はいじめられた側の擁護,後者は非難が多くなっています.

当事者が書き連ねる文章には,どうしても何らかのフィルタがかかってしまいます.これは,この類の事件はどちらもが加害者であり被害者であるためだと思います.いじめられた側は,確かに殺人は犯してはならない過ちであったがさりとていじめる側を許せる訳もない,状況を打開するためにはこれしかなかった,など.一方,いじめた側は,何も殺すことはなかったではなかったではないか,いじめと言ってもそんなひどいものではなかった(はず),などなど.どちらが文章を書くかによって,受ける印象はかなり異なるものになるでしょう.

当事者が,意識的であれ無意識であれ,自分を擁護してしまうのはある程度は仕方のないことだと思います.なので,このような事例に対して,第三者である聴衆,読者はできるだけ冷静になって受け止める必要があるのではないのかな,と思います.・・・と,言うスタンスをたまに激昂しているマスコミ記者にも持ってもらいたいとか思ったりします.

# 最後のは蛇足だったかもね:p