抗マナーに費やされる労力

ここ1年位の無断リンク論争の中心にいたtinycafeが,折れてリンクに対してある程度の理解を示していました.どういう経緯があったのか分からないですが,これまでの誰の言うことも耳に入らないような様を見ていた身としては驚きました.そういう訳で,今日は無断リンク論争に絡めた(?)話.

他国の事情は良く分かりませんが,少なくとも日本においては“(私が)迷惑だからやめろ”という主張がそれなりに大きな力を持っています.

むろん、日本には「他人が迷惑をかけるのも絶対に容認できないという考え」が強烈にあるのも確かだ。徐々にコリア化している筆者が帰国した時に感じることでもある。

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Spade/3447/k-mon131.htm

マナーに関しては,最近では電車内での携帯電話の使用に関する問題が良く問題になります.その是非はどうあれ,個人的には鉄道会社(運営している側)は“(携帯電話を含めた)トラブルに関しては,当事者間で解決して下さい”と中立であるというスタンスを維持すべきだと思っているのですが,鉄道会社さえもが積極的に携帯電話使用のマナー違反を訴えてきます.そういった背景もあり,日本では,それが少数派であったとしても“迷惑だから”という主張はかなりの強制力を発します.

その意味で,無断リンク論争は“私が(無断リンクされるのは)迷惑だからやめろ”という主張に対して,本気で対抗している希有な事例だと思います.そして,今回tinycafeが折れたことも含めて,この日本において“迷惑だから”という主張があるにも関わらず“リンクするのは自由”という認識をそれなりに広く浸透させた,という結果は驚くべきことだと思います.

ただ,一方で“迷惑だから”を論破するためには,これほどの労力を費やさなければならないのだな,と若干の絶望感を覚えます.ある程度の利(無断リンクするなと言う方が間違っている)がある事例ですらこういった状況ですので,どちらとも取れない(どちらの言い分も一理ある)ような事例では,やはり今後も“マナー違反”のレッテルが貼られ続けるのだろうな,と思います.