作らないと「作れない」と思われてしまうと言う話

以前,飲み会で家電メーカー勤務の人から「3D テレビは,別に(そこまで)売れるとは思ってないけど,他社が作っているのに作らないと「作れない」と思われてしまうから作っているだけ」と言う話を聞いたことがありました.この話は,聞いた時点では「へぇー」と言う位であまり気に留めていなかったのですが,その後,なるほどと思わせる会話にいくつか出会いました.

例えば,現在,スマートフォンと呼ばれる携帯電話は海外製品のものばかりですが,この現状を見て「日本企業にはスマートフォンを作る技術力がない」と言うような批判を(twitter2ch などでの愚痴レベルで)ぽつぽつ見かけるようになりました.また,先日,友人と会話しているうちに auスマートフォンの話題(参考:「auの本気度を見てほしい」――Androidスマートフォン「IS03」に賭けるKDDI - ITmedia Mobile)が出たのですが,このときにも「何で docomoSoftbank は赤外線通信機能などが付いたスマートフォンを出せないの?」と言うような話を振られました.

同じようなものを作っている企業で,他社はリリースしているものをリリースしない場合には,企業毎に様々な経営判断があるのだろうと予想されますが,ユーザからすると「自分が素晴らしい(便利,面白い,etc)と思っているもの」がリリースされない場合,ややもすると「その企業には作るだけの力がない」と言う思考に傾いてしまうようです.

展開している規模が小さくある程度のユーザを相手にできれば良いような場合であれば,そう言ったユーザは無視すれば良いのですが,企業の規模が大きくなるにつれて様々なユーザをターゲットにして展開していかなければならなくなるため,こういったイメージ低下は思っているよりも問題視されているようです.そのため,時には,「内心では儲かるとは思っていないが,イメージ低下を避けるために一応作る」と言う選択肢が取られる事もあるようです.

規模が大きくなると大変だなぁと感じました.