「当たり前」への拒否感あるいは恐怖感

職場には、始業時間のどのくらい前に出社するか――。ライフネット生命が20歳から39歳の会社員(アルバイト・パート除く)1000人に尋ねたところ、「20分以上前」が半数以上となった。始業1時間以上前に出社する人は約1割。2時間以上前と答えた人もいた。

「新人は30分前出社が当たり前」というクリエイターの発言を取り上げた記事に賛否のコメントが集まっているが、実態として早めに職場に出て仕事の準備をしている人は少なくないようだ。

出社「始業20分以上前」が半数超え 「1時間以上前」も1割

「新人は30分前出社が当たり前」と言う発言に対する反発と「多くの人は始業時間より前に出社する」と言う事実を比較している部分がちょっと気になりました。実際問題として、ある程度組織が大きくなって規律が出てくると遅刻と言うのはいろいろと問題が出てくるのと、仕事を始める前にちょっとした準備がしたい(トイレ、飲み物を買ってくる、タバコを吸う、etc)などの関係で始業時間よりもやや余裕を持って出社すると言う人は多いだろうと言う事は予想できます。

個人的には、「新人は30分前出社が当たり前」と言う発言への反発 は、「時間前に出社する」と言う部分よりも「当たり前」と言う言葉への反発と言う性質が強いのだろうと思っています。

他人が自分に完全に奉仕できてギリギリ合格・・・・・・!
100%出来て・・・ ギリ合格の50点・・・・!
1つでもミスをすれば40・30・20・・・・・
それが社長の思考法・・・・・・!

スーパー減点法

恐るべき男・・・・・・・・・!

カイジ第98話 「減点」

上記は極端に描画されたものではありますが、(他国は知りませんが)日本社会での習慣として「減点法的な思考」と言うものは根強く残っています。「あれはできて当たり前」、「こんな事もできないなど社会人失格」、etc。以前、「社会人失格」とかの発言を見るたびに、「社会人ハードル」を無闇に上げてもあんまり誰も得しないんじゃないかなぁとか思う と言うような事を思ったりもしましたが、実際問題としてはもはや損得で考えられるレベルではなく、無意識でそういった「できて当たり前」と言う思考になってしまうほどまでに「減点法的な思考」が根深く浸透してしまっているのだろうと予想されます。

この結果、少なからぬ人が「当たり前」と言う言葉に対して恐怖に近い拒否感を持っているのだろうと思います。例えば、上記の出社時間問題について言うと、多くの人は確かに就業時間より前に出社するのでしょうが、それらの人も「毎日必ず」そういう行動をしているのかと言うと恐らくはそうではないでしょう。夜更かししてしまった日や飲み会などの次の日などは、いつもより起床時間が遅くなってしまい、ぎりぎりの出社時間になってしまうと言う事も予想されます。しかし、いったん就業時間より前に出社する事が「当たり前」として認識されてしまうと、そういったイレギュラー的な日の出社時間に対しても咎められる(他人に悪い印象を持たれてしまう)と言う風習が生まれてしまう恐れがあります。

常識/マナー至上主義の行き着く先

私自身が「常識」、「マナー」、「当たり前」と言う言葉があまり好きではないのは、初期 RAGNAROK Online で発生した狂信的とも言えるマナー至上主義が浸透してしまった結果を見た事が大きいです。

ノーマナーノーマナー行為

RO語。当初はKill StealやLootを指す言葉としてRO運営側が用いた単語であったが、その後すぐに曲解され、「自分が定義した正義にそぐわない他人はノーマナー」という考え方となり、さらにこれが元々運営側が発した言葉であったため、最終的に「個人的な判断を運営側公認の判断であるかのように見せかけて大義名分を得る手法」という役割を担うようになった。RO特有の独善的文化の成立に強く貢献した象徴的な単語。

MMORPG用語の基礎知識

これは極端な事例ですが、「常識」、「当たり前」が必要以上に力を持ってしまった結果発生した悲劇として興味深いものでした。この事例に限らず、他人に強要し始めると衝突する事も増えてギスギスとした空気を発生させてしまう事も少なくありません。「当たり前」と感じる事柄は自分が実行するだけに留めて他人には強要しないような形になれば良いと思ってはいるのですが、各人の感情の問題も絡んでなかなか難しいようです。

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