ジブリの法則と予言の自己成就

私は株式や FX の世界には疎いのですが、そちらの界隈に「ジブリの法則」と言うジンクスがあるそうです。

金融業界のジンクス。個人投資家の都市伝説の一つ。

スタジオジブリの作品が、「金曜ロードショー日本テレビ)」で放映される当日(金曜日)、もしくは、翌取引日(次週の月曜日)は、世界の金融指標や為替が混乱し、日本の株価にも大きく影響を与えるという法則(アノマリージンクス)。

ジブリの法則とは - はてなキーワード

当初は「よくあるオカルトの類か」と思って気にも留めていなかったのですが、MSN産経ニュース毎日 jp と言った大手新聞社の Web サイトでも記事になるレベルのようで少し驚きました。

この「ジブリの法則」を見ながら、昔、雑談で知人から「俺は基本的に テクニカル分析 は信じていない。信じていないが……主要(有名)なものについては考慮する」と言う話を聞いた事がありました。私がその理由を聞くと、「有名な手法に関しては、例えそれがオカルト的なものであったとしても、それを信じて行動する人が多数現れる。そうすると、その手法で導き出された答えに "結果として" 本当に近づいてしまうから」のような答えが返ってきた事を覚えています。

予言の自己成就と言う言葉があります。

たとえ根拠のない予言(=噂や思い込み)であっても、人々がその予言を信じて行動することによって、結果として予言通りの現実がつくられるという現象のこと。 例えば、ある銀行が危ないという噂を聞いて、人々が預金を下ろすという行動をとることで、本当に銀行が倒産してしまう、というもの。 このような社会現象のメカニズムを、アメリカの社会学マートンは「予言の自己成就」と名付けた。 これは、W・I・トマスの「もし人が状況を真実であると決めれば、その状況は結果において真実である」という定理をさらに展開した理論といえる。

予言の自己成就(よげんのじこじょうじゅ)とは - コトバンク

予言の自己成就と言う言葉は、血液型占いのようなものへの反論の一つとして使われる事もありますが*1、冒頭の「ジブリの法則」にもこの言葉が(ある程度)当てはまるのではないか、と感じます。すなわち、以下のようなロジックです。

  1. 最初は単なる偶然であった現象に「ジブリの法則」と名前が付けられる。
  2. ジブリの法則」を信じた人々が忌避的な行動(金曜日の内に株式を売り払っておく等)を取り始める。
  3. 忌避的な行動を取る人が増えた結果、株式市場にネガティブな影響が出始める。
  4. 結果的に、「ジブリの法則」が成立する。

もっとも、毎日 jp の記事 では「ジブリの法則」に関して、「米国で毎月第 1 金曜日の朝に発表される、景気に影響を与える雇用統計の結果がネガティブになりやすい」ともう少し踏み込んだ説明がなされており、この点については「予言の自己成就」で説明するのは難しいだろうとは思います。

それにしても、この「例えオカルトであったとしても、それを信じて行動する人が多ければ、結果的に、それは真実になる」と言う側面は、場合によってはかなり恐ろしい事になるのではないかな、と不安になる時があります。

*1:例えば、一般的にはポジティブな分析結果と捉えられやすい A 型については、その分析結果を意識して、それに近づこうと行動してしまう。その結果、血液型占いが当たっているように見えてしまうと言うもの。

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